2007 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質シリコン触媒支持層改良によるシリコン電極薄型燃料電池の高性能化
Project/Area Number |
05F05338
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 Tokyo University of Science, 理工学部, 講師
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BRITO Neto J.A 東京理科大学, 理工学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 燃料電池 / 触媒・化学プロセス / マイクロ・ナノデバイス / 多孔質シリコン / 陽極酸化 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、白金多孔質層形成を確実にし、また、有機錯イオンを形成して、めっき液として用いることにより金多孔質層の形成に成功した。 今年度は、触媒支持層として期待しているパラジウム多孔質層の形成に重点を置いた。白金の場合と同様にして、塩化パラジウム溶液をめっき液に用いると、多孔質シリコン層の一部が多孔質パラジウム層に改質出来ることは観察された。しかし、層の厚さは5μm弱と満足出来るものではなく、多孔質層表層に数十μmにおよぶ樹状のパラジウムの析出が見られた。この状況では、目指す触媒支持層への応用は難しい。 パラジウムの析出挙動は、白金よりも激しく、金よりは穏やかな傾向であった。そこで、金と同様に、有機錯イオンを形成しためっき液を用いて反応抑制を試みた。エチレンジアミンとの錯イオンにより、反応は遅くなり、15μm厚程度のパラジウム多孔質層を得ることに成功した。ただし、パラジウムの場合は粒状の析出となり、金の場合に見られた基となる多孔質シリコンの形状を維持する興味深い現象は観察出来なかった。白金多孔質層の白金析出構造の微細化を目指して、白金の場合にも有機錯イオン形成を試みたが、現在までの研究では期待した効果は得られなかった。 本研究により、多孔質シリコンをベースとして、シリコン基板上に白金、金、パラジウム、ルテニウム多孔質の形成に成功した。そして、有機錯イオンの利用などによる析出形態の制御等、新たな展開に入ることができた。
|
Research Products
(2 results)