2006 Fiscal Year Annual Research Report
可変減衰と可変ばねによるセミアクティブ振動制御に関する研究
Project/Area Number |
05F05345
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Yanqing 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 振動絶縁 / 可変剛性 / 可変減衰 / 磁性粘性流体 / 振動制御 |
Research Abstract |
多くの機械構造物や車は基礎からの振動を受け、その精度や乗り心地などを悪化させている.例えば、電子顕微鏡やIC製造設備では、地面や床の振動によって画像が揺れる.自動車や電車の路面の凹凸からの絶縁や建物の地震対策なども必要である.これらの振動絶縁装置や制振装置で実用化されている方法には、大別してパッシブ方式、アクティブ方式とセミアクティブ方式の三つがある.セミアクティブ方式はコストを抑え信頼性を保ちつつ高い振動絶縁性能を実現できる.しかし、従来のばね剛性やダンパの減衰係数を変化させるには、ばねの支持点の移動や、ダンパの絞りを動かすなどの可動機構が必要であり、それが機構を複雑化させ、コストや信頼性の悪化につながる. そこで、本研究では磁性粘性流体を使ったMRダンパを用いて、印加電圧を変えることによって、ばね剛性と減衰係数の両者をコントロールする可動機構のない振動絶縁を開発した.本研究の手法では、並列のばねとダンパを2セット直列に配置した.一つのMRダンパによって、システムの剛性が制御されることになり、もう一方のMRダンパによってシステムの減衰が制御される.しかし、この直列配置では、剛性と減衰の完全な独立制御が困難となっていた。そこで、改良した手法では、並列のばねとダンパ(これを剛性スイッチと称す)の1セットとばねを直列につなぎ、これとダンパ(これを減衰スイッチと称す)を並列に配置した.これにより、剛性スイッチでシステムの剛性を制御し、減衰スイッチでシステムの減衰を制御するが、ほぼ独立に制御するがことができた.また、2個のMRダンパとばね、質量からなる一自由度と二自由度振動系を作成し、加振台の上に設置した時の振動伝達率を測定した.正弦波加振、ランダム波加振とも計算値と測定値は極めてよく一致しており、本手法の妥当性が確認された.可変減衰・剛性制御(D+S on-off)の振動絶縁効果が高いことを確認した.
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Research Products
(4 results)