2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05346
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神崎 亮平 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Hao 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 昆虫 / 羽ばたき / 筋電位 / テレメータ / 自由飛行 / 光学計測 / 一般線形モデル / 構造光 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに実施した、自由飛行中のスズメガのテレメトリによる飛翔筋電位の遠隔計測と、光学計測法による羽ばたき運動の解析結果について、詳細なデータ解析を行った。飛翔筋活動と羽ばたき運動との相関を調べるために、一般線形モデルを適用し、羽ばたき運動を構成する運動パラメータ(羽ばたき振幅と、翅の前後方向の変位)が、それぞれどの飛翔筋の活動に対応するか多変量解析を行った。その結果、翅の打ち上げ筋の活動タイミングが羽ばたき振幅の調節を、翅を後方へ引き付ける飛翔筋が翅の前後方向の運動の調節に関わっていることが明らかになった。また、これら飛翔筋の左右の活動タイミングの違いが、ヨーやロール運動に関わっていることを示唆した。これらの研究成果はJournal of Experimental Biologyに掲載された。 また、これまでに十分な研究がなされていない羽ばたき運動中の翅の面積の変化に注目し、これを詳細に計測するために、これまでの光学計測システムを改良し、2台のレーザパターンプロジェクタを用いた実験系を構築した。従来スズメガの羽ばたき運動は、前翅・後翅を一つの翅として流体シミュレーションが行われてきたが、この面積変化の計測結果を適用することで、より実際の羽ばたき運動に近いシミュレーションが実現できる。
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