2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測と数値モデルを組み合わせたアジア域での水循環予測
Project/Area Number |
05F05361
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小池 俊雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAJAN Devaraj 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | インドモンスーン / GPS観測可降水量 / 気象庁長期再解析データ / CEOP / 北東モンスーン風 |
Research Abstract |
本研究では現在実施されている統合地球水循環強化観測プロジェクト(Coordinated Enhanced Observing Period : CEOP)によって収集されている衛星観測データ,現地観測データおよび数値予報データを統合的に活用し,夏季インドモンスーンの季節進行の詳述を目指すとともに,モデルによる降水量の予報性能評価に取り組む. 平成17年度においては,CEOPの活動の一環として蓄積された気象庁長期債解析データ(Japan Re-Analysis 25 years : JRA25)から算定した可降水量と日本域におけるGPS観測による可降水量を用い,2001年の夏季アジアモンスーン機関における比較を行い,モデルによる水蒸気量の再現性の評価を行った.詳細な解析の結果,比較対象とした各観測地点において,JRA25による可降水量の方が大きいという結果を得た.しかし,可降水量の空間分布に関しては,観測結果と同様の傾向を示し,JRA25による同化手法の向上を示す結果であった. また,夏季インドモンスーンの季節進行に関しては,10月から12月のポスト・モンスーンシーズン(あるいは冬季モンスーン)に吹く北東モンスーン風に着目した解析を行った.解析対象には,インド北東部での10月から12月の降水量が多かった2003年と,平年並みの降水量であった2004年を選んだ.JRA25を用いた解析の結果,2003年にはベンガル湾上に強い低気圧が発達しており,これによって多量の降水がもたらされたことが明らかになった.今後,北東モンスーンシーズンの大気場や水蒸気場の特徴などをまとめるとともに,年々変動等に着目した詳細な解析を行っていく予定である.
|