2005 Fiscal Year Annual Research Report
高い制振効果をもつ柱脚浮き上がり構造による建物地震被害の抑制
Project/Area Number |
05F05364
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRAN Binh Thanh 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ステップカラム / 制振制御 / 応答スペクトル / ダンパー / 評価手法 / 浮き上がり |
Research Abstract |
この研究の主目的は「ステップカラム構造」を用いて制振制御された建物の地震応答を簡易的に予測することである。まず、ステップカラム構造を使用する建物の数値パラメーター解析を行うことで、実挙動とその効果、そして欠点を明らかにし、その結果としてこの新しい制振制御システムの理解を深める。次に、最大地震応答を評価するための簡易な手法を提案する。この手法は多大なデータ処理を要する時刻歴応答解析を用いることなく、応答スペクトルのみを使用する。また、様々なステップカラム構造における広範囲にわたる動的特性を一貫して共通のモデルで表す概念を用いる。最後に、ステップカラムの実現のために、その他ダンパー(粘性、オイル、粘弾性等)のステップカラムへの適用を考慮する。 これまで、我が国において「ステップカラム構造」を適用した建物は非常に少ないため、まず適用建物の詳細な諸元や実建物を想定した解析モデルを得ることが重要となる。そこで、本研究では「ステップカラム構造」を実際に適用した主構造の塔状比が10を越える12階建ての建物を検討対象として、建物の主構造の詳細な解析モデルの作成を行っている。今後は、作成した解析モデルを用いて広汎なパラメータースタディを行い、この検討結果をもとにステップカラムシステムの応答制御の有効性を実証し、また設計手法を提案するとともに、簡易な解析モデルや近似時刻歴応答解析手法についても論議を展開していく予定である。
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