2006 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルインパクトアセスメント手法を用いた内陸輸送決定法に関する研究
Project/Area Number |
05F05370
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IQBAL Kho Shahriar 大阪大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / バングラディッシュ / 河川輸送 / 陸上輸送 / ライフサイクルインパクトアセスメント / 船舶事故調査 / 復元性 / 物流 |
Research Abstract |
内陸輸送に関して、メコン川流域を取り上げ、流域の各種調査を行った。具体的にはバングラディッシュ、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムにまたがる地域の自然状況、道路状況、河川状況およびバングラディッシュにおける河川輸送中の船舶事故についての調査を行った。 流域調査に関しては、昨年度に引き続き行ったが、今年度はメコン川中流のカンボジア流域を特に調査した。この流域では、昨年度調査したミャンマー、ラオス国境地帯同様、乾期と雨期で流量の違いにより、水深が違うが、ミャンマー、ラオス国境地帯が山岳地帯で急峻で蛇行する岩盤地帯であったのに比し、カンボジアでは、標高が低く、ほぼ平地であることから、きわめて水深が浅く、流域が広い流れとなっている。メコン川の支流ではあるが、古都シェップ・リアム付近では東南アジア最大の湖トンレサップ湖となっていて、生活物資の輸送はもとより、生活のほとんどすべてが日常的に河川に依存している。バングラディッシュの状況はこれに近い。 昨年度に引き続き、バングラディッシュにおける船舶事故調査を新聞記事などをもとに行い、統計的調査分析を行い、その社会的経済的影響について研究を実施した。(2007年10月発表予定) また、それに関連して転覆事故を起こした船舶についての復元性計算を行い、その復元性の推定と評価を行い、現存の船舶の問題点を指摘した。(国際ジャーナルに投稿中) ライフサイクルアセスメント手法については、引き続き、文献などを中心とした調査を行い、韓国木浦海洋大学イム教授、リー教授などとの共同研究提案を行った。 昨年度および今年度の研究により、さらに、メコン川流域の各国におけるインフラの整備状況と物流の実態、事故などの状況がわかった。 この研究は、外国人研究者が日本留学時に得た知識と手法、そして、いったん学位取得後に本国に帰国しての本国における現状と本人に寄せられる関係者の期待などが十分活用された研究になっており、有意義な研究であったと言える。
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