2006 Fiscal Year Annual Research Report
大型ヘリカル装置における高速放射損失現象の先進的2次元CT
Project/Area Number |
05F05372
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
PETERSON B.J 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Yi 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | プラズマ / 放射損失 / トモグラフィー / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大型ヘリカル装置(LHD)におけるAbsolute eXtreme Ultra-Violet photoDiode (AXUVD)アレイを用いた2次元コンピュータトモグラフィー(CT)システムに大幅な改良を施し、LHDプラズマにおいて特徴的な非対称構造を持つ放射崩壊現象、磁気島への不純物供給後に観測される局所的な放射損失などをより詳細に研究することである。それぞれ、ヘリカルプラズマにおける密度限界、粒子・不純物閉じ込めに対する磁気島の影響といったLHDにおいて現在最も重要な研究課題に密接に関連している。 2次元CTシステムの改良として、まずは計算コードにおいてTikhonov-Phillips正則化法と最小Fisher情報量法を組み合わせるなどの新しいアルゴリズムを適用できるように整備した。また、逆問題を効率的かつ高速に解くため用いているNewton-Raphson法においても新しいアルゴリズムを開発した。これら新しく開発したアルゴリズムを用いることで、従来よりも格段に精度が向上したCT像が得られるようになった。機器の改良という点では、CT像の精度向上に本質的に貢献する3番目のAXUVDアレイを完成させて、平成18年度にLHDへ取り付けた。しかし、残念ながら真空容器中に設置した一部の機器の不具合により、計測開始は来年度の課題となっている。得られた研究成果の主なものの概要は次の通りである。(1)プラズマと全てのダイバータが非接触となる状態、デタッチメントが自己保持されるような放電では、ポロイダル方向に回転する放射損失帯が最外殻磁気面内側のプラズマ周辺部に現れることを明らかにした。(2)磁気島への不純物供給後に観測される局所的な放射損失をCT像で見ると、確かに局所的な放射損失は磁気島部を源としていることが分かった。また、その損失源が消失するまでの時間の長さから、磁気島が不純物粒子に対して高い保持性能を有している可能性が高いことが分かった。これらの結果は従来の解析手法では得られなかったものであり、改良を施した先進的2次元CTが高速放射損失現象の理解に非常に効果的であることを示している。
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Research Products
(1 results)