2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子の光媒介ダイナミクスとプラズモン誘導形状変化
Project/Area Number |
05F05384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KELLY Kevin Lance 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フォトクロミック現象 / 銀ナノ粒子 / マックスウェル方程式 / プラズモン共鳴 / 金ナノ粒子 / 酸化チタン / 光触媒機能 / 光応答 |
Research Abstract |
本多・藤嶋効果により発見された酸化チタンの光触媒機能はその実用性から、近年とみに注目されている。最近、立間らにより、この酸化還元作用を利用して、銀ナノ粒子を担持した酸化チタン膜の多色フォトクロミック現象が見出された。褐色の銀担持酸化チタン膜が特定波長の可視光を照射すると、照射した光の色とほぼ同じ色に発行する現象である。そこで本研究ではマックスウェル方程式の数値解法を用いた理論研究により酸化チタン膜中の銀粒子の光応答の機構を明らかにすることを目的とした。一般に銀ナノ粒子はプラズモン共鳴により光を吸収することが知られており、銀担持酸化チタン膜の色変化は担持された銀ナノ粒子の光酸化反応によるものと考えられている。銀ナノ粒子により吸収される光の波長は、銀粒子の大きさや形状、あるいは周りの環境(誘電率)によって異なる。そこでマックスウェル方程式の数値解法において、これらの因子を変化させることにより発色する色質を自由に制御し、銀ナノ粒子を担持酸化チタン膜の多色フォトクロミック現象の機構解明を行った。計算結果の解析から、ブロードな光学共鳴が赤色領域のスペクトルが説明でき、またフォトクロミック過程において変化する青色領域スペクトルは5ナノメートル程度の担持された銀ナノ粒子の再形成により説明できた。銀ナノ粒子の局在プラズモンと電子的に活性な酸化チタン膜との相互作用が銀ナノ粒子の物質輸送と形状変化を引き起こすと考えられる。
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Research Products
(1 results)