2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ物質の構造と励起状態ダイナミクスの時間分解顕微分光による研究
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05F05390
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
玉井 尚登 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MANDAL Abhijit 関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | CdTe量子ドット / 単一微粒子分光 / 顕微分光法 / 発光明滅 / 発光寿命 |
Research Abstract |
CdTe量子ドットの励起子緩和過程に及ぼす周りの媒質(マトリックス)の効果を単一微粒子分光法により解析し,その結果を論文としてまとめて発表することが出来た(J.Phys.Chem.B)。特に,水溶性CdTe量子ドットの単一微粒子分光において,発光のOFF時間の分布は媒質に依存しないが,ON時間の分布は次式p(t_<on>)=P_0t^<-α>exp(-t/τ_<on>)で表されると共に,指数αが媒質に大きく依存すること,水を保持する能力の高いトレハロース中ではON時間の分布が著しく長くなることがわかった。さらに,CdTe量子ドットを幾つかのpH条件で合成し,その後さらに溶液のpHを変えそれが光物性に与える効果をスペクトルや寿命解析および走査プローブ顕微鏡により調べた。その結果,pHが下がると,ある領域から量子ドット同士の会合が起こり,それにより発光量子収率や寿命が長くなること,また,このようなpH依存性は可逆的であり,pHを上げアルカリ性にするとスペクトルや寿命が元に戻ること,従って会合は弱い相互作用で起きていること等を解明した(J.Phys.Chem.C)。 一方,blinkingは,量子ドットから電子が放出され,トラッピングされることにより起こると考えられており,アミンなどの電子ドナーによって大きな影響を受けると考えられる。そこで,種々のアミンを添加し,発光寿命やblinkingがどの様な影響を受けるのか単一微粒子分光法により解析したところ,予想通りON時間が長くなると共に,寿命も大きな影響を受ける事を明らかにした。
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Research Products
(4 results)