2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵素機能の発現を志向するデンドリマー固定化触媒の開発
Project/Area Number |
05F05391
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 Osaka University, 産業科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAN Bahadur Bajracharya 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工酵素 / 不斉触媒 / SPRIX / Pd(II)-SPRIX / デンドロン |
Research Abstract |
酵素におけるタンパク質の代わりに枝分かれした高分子であるデンドロンを用い、酵素活性部位を導入することによる人工酵素の構築を検討した。まず、カテコールオキシダーゼの機能を人工的に再現することを検討したところ、ビスイミダゾール配位子を2つ導入したデンドロンを用いて室温で安定なμ-η^2:η^2二核銅錯体が構築できることを見いだした。錯体の安定化にはある程度世代の大きなデンドロンが必要であり、デンドロンの効果が明らかとなった。この錯体を用いて、世界で初めてのカテコールオキシダーゼに特徴的な酵素機能を室温で再現できることを見いだした。デンドロンの周囲に導入したベンジル置換基が人工酵素全体の溶解性を高めると同時に、錯体中心を保護するため酵素活性と安定性が両立できたと考えられる。また、人工酵素構築の基盤研究として、活性部位に用いることのできるキラルな配位子についても検討し、新規スピロ型配位子の創製と、これを用いる新しいエナンチオ選択的触媒反応を見いだすことができた。たとえば、β,γ-不飽和カルボン酸誘導体の5-Endo-Trig型環化により光学活性なブチロラクトンが、対応するアミドからは5員環ラクタムが高エナンチオ選択的に生成した。さらに、パラジウム-スピロビスイソオキサゾリン錯体を触媒として用いる一酸化炭素とスチレン誘導体の共重合についても検討し、一酸化炭素分圧を0.5気圧とすることで、高い立体規則性をもつポリマーを、高効率で得ることに成功した。
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Research Products
(4 results)