2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05392
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Jie-Peng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 配位高分子 / 多孔構造 / 相互貫入 / ガス吸着 / 構造変化 / ゲスト選択性 |
Research Abstract |
今年度は、架橋配位子に3,3',5,5'-tetramethyl-4,4'-bipyrazole(H2Me4bpz)を用いた配位高分子[Ag(Me4bpz)]_guestを合成した。この化合物では、Ag(I)に2つのMe4bpzが配位し、配位不飽和な二配位Ag(I)のcis-bpz架橋による三核ユニットがtrans-bpz架橋により3次元構造を形成し、さらにこの3次元構造が二重及び四重に相互貫入することで多孔構造を構築していた。この多孔構造(Voide space=30.4%)は、Ag(I)三核ユニット同士が約3Åに近接することで安定化しており、ゲストの吸脱着において均一な内部空間が保持されていた。加熱処理により調整したゲストフリーの化合物は、構造の変化なくN2及びCO2を吸着した。一方、サイズの大きなbenzene, tolueneの吸着に対しては、相互貫入した構造の協同的な変化により内部空間のサイズを変形させ、ゲスト分子をモノマー、ダイマー及びトライマーの形で、それぞれ収縮または拡張した内部空間に取り込んでいることをX線構造解析により確認した。また、取り込んだゲスト分子とAgの間にAg...πおよびC-H...Ag相互作用も観測された。この化合物では、結晶状態でのゲストの吸脱着において、可逆的なsingle crystal-to-single crystalの構造変化によるゲストサイズへの応答性、およびゲスト選択性の発現に成功した。
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Research Products
(1 results)