2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YE Zhi-Qiang 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 脱塩基オリゴDNA / 水素結合性リガンド / 表面プラズモン共鳴 / 蛍光性リガンド |
Research Abstract |
個人個人に最適化した「テーラーメード医療」の実現に向けて,迅速,簡便かつ安価な一塩基多型(SNPs)検出法の開発が重要な課題となっている。本研究では、まず、標的塩基を含む一重鎖DNAと脱塩基部位(AP site)を有するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせることで、標的塩基の向かい側に疎水性空間を構築する。この空間内では水素結合が効果的に機能することを利用して、塩基選択性を有するリガンドと標的塩基との錯形成によりSNPs検出を行う。本研究では、検出法として蛍光強度変化と共に表面プラズモン共鳴(SPR)に着目し、塩基選択性が期待されるリガンドを金基板上に固定化し、この固定化されたリガンドと脱塩基空間を標的塩基と対向する位置に有するオリゴDNA二重鎖との結合能を評価することを目的とした。 まず、6-chloro-3,5-diamino-2-pyrazinecarbonitrile(CDPC)をリガンドとして塩基選択性を検討した。標的オリゴDNAには23-merの5'-GTGTGCGTTGYTTGGACGCAGA-3'(Y=A, T, G, or C)を用い、プローブオリゴDNAは相補的な23-merで、脱塩基部位としてデオキシリボース部位も除去したSpacer-C3を用いた。標的塩基の上下塩基がGYGとTYTの婆についてCDPCの吸収スペクトルと蛍光スペクトル変化を調べたところ、DNA二重鎖との結合により蛍光強度が増大することが分かった。また、4-Aminopropylamino-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole(NBD-NH2)をCOOH基で修飾された金のセンサーチップ上に脱水縮合により固定化した。プローブオリゴDNAとしては、5'-TCCAGXGCAAC-3'(X=Spacer-C3)の配列を用い、これと相補的で標的塩基(Y)を含むオリゴDNA、3'-AGGTCYCGTTG-5'(Y=A, T, G, or C)とで二重鎖を形成させて塩基選択性を検討した結果、予備的段階ではあるがT選択性を見いだした。
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