2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YE Zhi-Qiang 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子分析 / SNPs / 脱塩基 / 蛍光 / リガンド |
Research Abstract |
DNA鎖中で一つの塩基が他の塩基で置換される一塩基多型(SNPs)は、薬剤耐性や病気の罹りやすさの指標となることから、迅速・簡易・廉価・正確なSNPsの検出法の開発は、ポストゲノム時代における遺伝情報を利用したテーラーメイド医療の実現に向けて極めて重要である。従来法ではDNAやRNAへの蛍光ラベル化が必要であったり、完全相補DNAとそうでないものとの識別に精密な温度調整が必要などの煩雑さがあった。これに対し、本研究では、脱塩基含有DNAをプローブとし、標的DNAと二重鎖を形成させて脱塩基空間を作り、この空間に核酸塩基認識能を持つ蛍光性小分子をとりこませ、蛍光変化を検出することでSNPsを判定する方法を検討した。脱塩基を含有する23-merのオリゴDNA二重鎖に対して6,7-dimethyllumazineとの1:1の錯生成を仮定すると、解離定数(Kd)はA,T,G,Cに対してそれぞれ、1μM,77μM,312μM,588μMであり、従来達成されなかったアデニン選択的リガンドを新たに見いだすことができた。また、アデニンに関連するSNPs検出の可能性を検討するため、脱塩基空間に隣接する塩基の種類による蛍光応答特性を23-merのオリゴDNAを用いて評価した。その結果、脱塩基空間に隣接する5'位側にある塩基がプリン塩基(G or A)の場合に著しい蛍光消光が見られるが5'位側がピリミジン塩基(C or T)の場合には顕著な消光応答は得られなかった。このことは、蛍光消光にスタッキング効果が寄与していることを示唆するものである。以上、6,7-dimethyllumazineを用いてアデニンに関するSNPsを選択的に検出できることに成功した。
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