2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05395
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FISCHER Dirk 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 骨格転位反応 / 炭素-水素結合活性化 / 白金触媒 / インデン化合物 |
Research Abstract |
遷移金属触媒による骨格転位反応は多様な環状化合物を一段階で合成する手法として極めて特異で興味深い反応である。近年当研究室では、近年オルト位に1-メトキシ-3-ブテニル基を有するアルキニルベンゼンが臭化白金触媒の存在下1-ビニルナフタレンへと変換されることを報告した。この研究過程において私はこの反応において、アルキン部位に置換を持たない場合、炭素-水素結合の特異的な切断を経て進行し、1-アルコキシ-1-アリルインデンが高収率で得られることを見出した。種々触媒を検討した結果臭化白金が最も高い触媒活性を示すことを明らかにした。またこの反応では溶媒の選択が重要であり、アセトニトリルを用いた場合選択的に生成物が得られる。アルコキシ基としてメトキシ、エトキシ、ブトキシ、ベンジルオキシ基に適応することが可能である。また、アルキンのパラ位に電子供与性基が置換されている場合反応が促進されるのに対し、トリフルオロメチル基のような電子吸引基が存在する場合は収率が著しく低下する。今後、アリル基をプロパルギル基に代えて反応の検討を行う予定である。さらに、アルコキシ基に代えてジメチルアミノ基を有する基質の場合異なる環化反応が進行し、イソキノリン化合物が高収率で得られることが明らかになった。触媒として銀トリフレートを用いた場合30%の収率で生成物が得られた。今後触媒系の検討と反応機構解明のための研究を行う予定である。
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