2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン環状二量体超分子ポリマー/フラーレン一次元複合体を用いた材料開拓
Project/Area Number |
05F05398
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辺 永忠 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | サンドイッチ型錯体 / フラーレン / ポルフィリン環状二量体 / イリジウム / セリウム |
Research Abstract |
片側のリンカーにのみフタロシアニン部位を有する亜鉛ポルフィリン環状二量体とセリウムイオンとの反応から、サンドイッチ型セリウムフタロシアニン錯体で連結した亜鉛ポルフィリン環状二量体のダイマーを構築した。C_<60>,C_<70>,C_<120>や別途合成、光学分割した三種類のフラーレンダイマーとの複合化を行い、特にフラーレンダイマーとの複合化による、セリウムイオンを中心としたフタロシアニン同士の相互回転運動の抑制について、温度可変^1H NMR測定を利用して定量的に評価した。また、フラーレンとの相互作用をより強くするため、ポルフィリン部位のイリジウム錯体への誘導を検討した。その過程で、アキシャル位にジクロロフェニル基やビシクロ基を選択的に導入する合成手法を新たに見いだした。さらに、サンドイッチ型セリウムフタロシアニン錯体および亜鉛ポルフィリン環状二量体部位の酸化還元電位を電気化学的手法により決定し、酸化剤を用いた1電子および2電子酸化を行い、吸収スペクトル変化を明らかにした。また、類似の性質を持つサンドイッチ型ルテチウムフタロシアニン錯体の合成を検討した。これらとは別に、柔軟なメチレンユニット5つからなるリンカーを有するポルフィリン環状二量体とセリウムイオンとの反応を行い、主な生成物が分子内でセリウムイオンを挟み込んだサンドイッチ型錯体であることを明らかにし、ポリマー合成に必要なポルフィリン環状二量体の構造的要素に関する知見を追加した。
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