2005 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー移動法-近接場光学顕微鏡によるブロック共重合体ラメラの分子鎖構造の研究
Project/Area Number |
05F05400
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
伊藤 紳三郎 京都大学, 工学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
YANG Jian 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 接場光学顕微鏡 / ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 高分子反応 / 蛍光プローブ法 / エネルギー移動 / 高分子薄膜 / 単一分子観察 |
Research Abstract |
本研究は、近接場光学顕微鏡(SNOM)による光の回折限界を超える空間分解能での実空間イメージングおよびエネルギー移動分光法によって、ブロック共重合体が織りなすミクロ相分離構造内での単一分子のコンホメーションについて明らかにすることを目的としている。 研究対象として、ポリスチレン(PS)-ポリメチルメタクリレート(PMMA)のブロック共重合体を用いた。SNOMによって観察を行うためには、蛍光性分子で観察対象をラベルする必要がある。そのため、まず第一段階として、PSおよびPMMAのホモポリマーを用いて、有効な蛍光ラベル法の探索を行った。PSについては、側鎖フェニル基にN-ヒドロキシルメチルフタルイミドを付加後に加水分解、またPMMAに対しては、ヘキサメチレンジアミンと側鎖メチル基とのエステル交換を行うことで、それぞれ側鎖にアミノ基を導入した。これにFITCやRITCなどイソチオシアネート基を有する蛍光色素を反応させることで、側鎖が蛍光色素でラベルされた高分子試料を得ることができた。さらに、これらの反応では、PSおよびPMMAの共存下でも、一方のみを選択的にラベルすることが可能であるため、PS-PMMAブロック共重合体においても、それぞれの成分のみを異なる色素分子で蛍光ラベルすることができる。蛍光SNOM観察において、PS-PMMAブロック共重合体薄膜について、ラメラ状のミクロ相分離構造が観察された。 SNOM観察に適した試料合成を行う一方で、SNOMシステムの改良を行った。プローブ制御系にDSP型ロックインアンプを導入することで、タッピングモード動作時に位相像を取得できるようにした。これにより、薄膜表面の粘弾性イメージングも可能となり、ブロック共重合体薄膜のミクロ相分離構造を明瞭に観察することができるものと考えている。
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