2005 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン-ポルフィリン分子系を利用するナノ構造人工光合成モデル
Project/Area Number |
05F05401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 攻 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMED El-Ssayed El-Khouly 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / 光合成 |
Research Abstract |
ポルフィリン類は中心に金属原子を導入することで光励起状態の寿命、酸化電位など、光誘起電荷分離にとって重要な要因を調整することが可能である。本年度は、中心金属にマグネシウムを用いた場合、フラーレンーポルフィリン間での光誘起電子移動反応がどのくらいの効率で起こり、またどの程度の寿命を持つのかを明らかにした。その場合、高効率の電荷分離状態生成のために、フラーレンーポルフィリン間をなんらかの手法で結合しておくことが必須である。中心金属であるマグネシウムの配座は6配位であり、ポルフィリン中心に導入したマグネシウムには未配位のサイトが2箇所存在する。本年度はこの系のマグネシウムポルフィリン-フラーレン連結分子の光電荷分離状態の生成過程、また光電荷分離寿命を明らかにした。その結果、亜鉛ポルフィリン-フラーレン連結系に比較し、より長寿命の電荷分離成分が観測され、この寿命は、マグネシウムポルフィリンの未配位サイトにピリジンを導入する超分子的な手法でさらに伸びることを見出した。また、ジフェニルアミノ基を導入したフルオレン分子に着目した。この分子は、ジフェニルアミノ基を導入することで、電荷移動吸収帯が可視領域に現れ、フラーレンと結合した場合の光捕集ユニットとして機能することが期待された。その結果、ポルフィリン-フラーレン連結分子と比較し遜色ない電荷分離能を有することが確認された。このことにより、電荷移動吸収体を利用するという新たな光合成模倣システムの指針を得ることが出来た。
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Research Products
(6 results)