2005 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物の高感度検出用コンパクト表面プラズモン共鳴免疫センサの開発
Project/Area Number |
05F05403
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 則雄 九州大学, 産学連携センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DHESINGH Ravi Shankaran 九州大学, 産学連携センター, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオセンサ / 表面プラズモン共鳴 / TNT / 免疫反応 |
Research Abstract |
本研究では、高感度かつ高選択的でありながら、安価で簡便な検出が可能な免疫反応を利用したイムノアッセイと計測装置とを組み合わせたセンシングシステムについて、表面修飾技術やマイクロチャンネル作製技術を駆使することにより、検出が難しい環境中などに存在する低分子化合物を超高感度、高選択的、しかもオンサイトで簡便に多成分同時検出が可能な新しいセンシングシステムを構築することを目的として研究を進めた結果、以下のような結果を得た。 1 SPR免疫センサによるTNTのpptレベルの検出 間接競合阻害法を用いれば、SPRセンサで低分子化合物を高感度検出できることはこれまでに見出しているが、さらに感度を高めるために、競合させる抗体(Ab)とセンサ素子表面上の単分子タンパク質膜を工夫した。 TNP-OVAとanti-TNP-BSA Ab、TNP-BSAとanti-TNP-KLH Abの組み合わせでは、TNTをそれぞれ90pptから1000ppb、75pptから1000ppbまでの広い濃度範囲で検出できた。また、TNP-OVAとanti-TNP-KLH Ab、TNP-BSAとanti-TNP-KLH Abの組み合わせでは、TNTをそれぞれ5ppt、8pptまで高感度検出することに成功した。 2 高選択的センシングシステムの構築 TNTには構造が類似する様々な化合物が存在するが、爆発物センサとしては高選択性が要求される。競合する抗体としてanti-TNP-KLH Abを用いることで、他の派生物質の干渉を1%以下に抑え、TNTのみの検出ができた。 3 TNTの高速検出 一度使った免疫センサ素子は、ペプシン溶液により再生することが可能であり、サンプルの導入・検出・免疫センサ素子の再生までの一連の測定を、pptレベルの検出感度を落とすことなく、約20分で実現させることができた。
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