2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルブミン-ヘムのヘムポケット構造制御による安定酸素錯体の構築
Project/Area Number |
05F05404
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
濱 義昌 Waseda University, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Gang 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 蛋白質 / アルブミン-ヘム / ヘムポケット / 酸素錯体 / 近位塩基 / 酸素輸送材料 / ナノチューブ / 電子顕微鏡観察 |
Research Abstract |
本研究は、単純蛋白質であるヒト血清アルブミンに所望のナノ空間を構築し、その内部へ取り込ませたヘムの酸素結合反応の解析から、空間構造と酸素配位能の相関を詳細に解明、酸素輸送人工ヘム蛋白質を創製することを目的としている。本来、酸素結合能はもとより補欠分子すら持たない血漿蛋白質のアルブミンに、酸素運搬能を付与するための方法論を確立する。 具体的には、ヒト血清アルブミンのヘム結合サイトに近位・遠位塩基となるアミノ酸を導入、ヘムを包接させたアルブミン-ヘム錯体を調製し、分子構造、軸配位構造、酸素結合反応の解析から、ヘムポケット構造と酸素結合能の関連を解明、安定酸素錯体を形成できるアルブミン-ヘム錯体を創製する。さらに、溶液系のみならず固相系へも展開し、新しい酸素輸送材料としての可能性を探索、評価する。 アルブミン-ヘム錯体については昨年度までに成果を得ているので、本年度はアルブミンからなる管状構造体の構築に重点を置き、その特徴と機能発現について基礎知見を集積した。アルブミン-ヘムからなるナノチューブが酸素を可逆的に吸脱着できることを明確にするとともに、その方法論を他のポリカチオンとの組合せへ拡張、様々な組成からなるアルブミンナノチューブを合成した。得られた管状構造体の形態を電子顕微鏡により観察し、安定構造が得られる組成は、アルブミンとポリ-L-アルギニン、ポリ-L-リシン、ポリアリルアミンであることを見出した。 得られた成果は2報の論文として、英国および米国化学会誌に発表した。
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Research Products
(5 results)