2007 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾したマリン多糖のバイオメディカメ分野への利用
Project/Area Number |
05F05405
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田村 裕 Kansai University, 化学生命工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAYAKUMAR R 関西大学, 化学生命工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | キチン / キトサン / カルボキシメチルキチン / リン酸化キチン / 生体適合性 / 生分解性 / アパタイト / 疑似体液 |
Research Abstract |
キチンやキトサンは生分解性、生体適合性に富むためバイオメディカル分野への応用が期待されている。中でもキチンは理想的な生体適合性物質であるが、一般の溶媒に不溶であるため効果的な利用法が提案されていないのが現状である。しかし、キチンは強固な結晶構造を有しており、一般的な有機溶媒には不溶であり、成形性は非常に乏しい。しかし近年は当研究室にて、飽和塩化カルシウム系溶媒によりキチンを温和に溶解できることが分かってきており、ハイドロゲルへと調製することや、さらに膜や繊維などへ成形できることも可能になってきている。 本研究では、まずカルボキシメチルキチンを基質とし五酸化二リンとリン酸を用い室温下で反応させるリン酸化法をキチン・キトサンに適用し、収率よくリン酸化が進行する結果を得た。また、アミノスルホン化合物を縮合させることで新しいタイプの硫酸化キチンも合成した。このようにして得られたキチン・キトサン誘導体を用いて、スポンジ、マイクロビーズ等を作成し、それらのモデル薬物を用いて薬物保持性や放出挙動を検討すると共に繊維芽細胞の培養実験を行い、スカッフォールドとしての評価を行った。また、これら誘導体はカルシウムとの親和性に優れているので、ゲル化させてスカフォールドとし疑似体液中に浸漬してアパタイトの析出状況を観察した。いずれの場合においても浸漬時間に応じてアパタイト様物質の析出が観察され、特にリン酸化キチンは優れていた。
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Research Products
(11 results)