2005 Fiscal Year Annual Research Report
高度に制御されたブロック共重合体の協同効果を利用したブラッグ型回折格子
Project/Area Number |
05F05407
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 富樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
于 海峰 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 原子移動ラジカル重合 / ブロック共重合体 / 高密度記録 / ブラッグ型ホログラム / 相分離構造 |
Research Abstract |
本研究ではデータの高密度記録が可能な高性能ホログラムの作製を目的として,ナノスケールで構造を制御した新規光応答性液晶高分子の開発を検討した。具体的には,原子移動ラジカル重合(ATRP)法を用いて,極めて精密に構造が制御されたブロック共重合体を合成した。高性能ホログラムに必要な光応答性・液晶性・透明性の各機能を付与すべく,光応答性部位であるアゾベンゼンを有するポリメタクリレート,液晶性を示すシアノビフェニルを含むポリメタクリレート,高い透明性を有するポリメタクリル酸メチル(PMMA)のトリブロック共重合体の合成をおこなったところ,分子量分布の狭い構造が制御された共重合体であることがわかった。原子間力顕微鏡を用いて構造を評価した結果,PMMA部分と光応答部位および液晶形成部位の間で相分離が誘起されることが明らかとなった。得られた化合物からフィルムを作製し,干渉光照射を行うことでホログラム記録を試みたところ,回折効率が増幅することがわかった。また本材料がミクロ相分離によって可視域の光散乱を抑えることから,高透明性ブラック型ホログラム材料になることが期待できる。
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