Research Abstract |
本研究では,データの高密度記録および高速伝送を目指し,光応答部位を有する新材料の開発を目的とする。原子移動ラジカル重合法を用いて,精密に制御された構造を有するブロック共重合体を合成し,ホログラム記録を行うことにより,高い画像明度,高い感度,高速応答を示すブラッグ型ホログラム材料の作製を検討した。 本年度ではこれまでに合成したブロック共重合体の物性評価とホログラム記録を行い,ブロック構造と記録特性の関係について検討した。干渉光照射を行い,格子周期がサブミクロンの表面レリーフ型回折格子を形成することにより,微細なシリンダー構造からなる光書き換え型光学素子の作製に成功した。一方,新規ブロック共重合体の合成についても検討した。アゾベンゼンブロックとPMMAの組み合わせでは,紐状構造が発現することを見いだした。この構造はミセルなどで形成されることが報告されているが,ブロックコポリマー系で観測されたのは初めてである。紐状構造を制御できれば,フィルムの光学物性,熱物性などの制御の新しいアプローチとなる可能性があり,大変興味深い。また,側鎖に水素結合部位を有するブロック共重合体では,安定した相構造を発現することを明らかにした。 以上の研究成果については,学会発表および論文発表を精力的に行い,J.Mater.Chem.およびMacromol.Rapid Commun.ではカバーページに採択され極めて高い評価を得た。
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