2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識超構造を用いた導電性高分子の鋳型重合と電気化学センシングシステムの構築
Project/Area Number |
05F05414
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新海 征治 九州大学, 大学院工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUDIP Malik 九州大学, 大学院工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン / 分子認識 / センサー / 重合 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
この課題は、クラウンエーテルなどの分子認識性素子を有するを電極上で重合し、分子認識による電子状態の変化や分子構造の変化による電気化学的なポテンシャル応答を検討するものである。 研究員の来日後の議論並びに初期的な実験のなかで、プロジェクトのコンセプトに合致する新しい展開が見られた。研究員は電子的に活性な[60]フラーレンを同様にナフタレン中に溶解し、冷却後ナフタレンを除いたところ、直径約数十ナノメートルの繊維状集合体が生成していることを明らかにした。 得られた繊維状C60集合体の重合を試みるためにガンマ線照射実験を行った。通常ガンマ線照射による重合はオレフィンを含むモノマー分子に用いられ、C60の重合に用いられた例は無い。わずかに、溶液中でC60にたいしてガンマ線重合を行い、二量体・三量体が得られたことが報告されたのみである。ガンマ線照射1時間後のサンプルは通常の有機溶媒に対する溶解性が全くなく、この事実からもフラーレン繊維の重合反応が進行したことが示唆された。重合後のサンプルを光学顕微鏡による観察を行ったところ、直径約50〜100nm程度、長さが約1〜2μm程度の比較的形状・サイズが均一なロッド状の構造体が得られた。事前に繊維状集合体を経ない通常のC60粉末に対してガンマ線照射を行ってもロッド状の構造体は得られない事から、C60繊維の事前組織化が必要であることが明らかとなった。さらに高分解能透過型電子顕微鏡写真からは、ロッド状集合体の内部に約1nmの周期のコントラストが観察され、フラーレンが高度に配列していることが明らかとなった(図3)。今後は分子修飾により同様のフラーレンポリマーを作り出すと共に、分子認識による電子的な応答について検討する。
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Research Products
(1 results)