2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識超構造を用いた導電性高分子の鋳型重合と電気化学センシングシステムの構築
Project/Area Number |
05F05414
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新海 征治 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALIK Sudip 九州大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン / 分子認識 / センサー / 重合 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
ナフタレンやフェロセンではフラーレンのπ電子との相互作用が溶媒和を促進していると考えられるが、π電子のないショウノウがフラーレンを溶解することはこれまでに知られていなかった。冷却後、これらの溶液を減圧下昇華により溶媒(ナフタレン・フェロセン・ショウノウ)を除去し、えられた綿状固体を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、得られた電子顕微鏡画像からは、直径約50〜300nmの繊維状分子集合体が観察された. 得られた繊維状C60集合体の重合を試みるためにガンマ線照射実験を行った。通常ガンマ線照射による重合はオレフィンを含むモノマー分子に用いられ、C60の重合に用いられた例は無い。わずかに、溶液中でC60にたいしてガンマ線重合を行い、二量体・三量体が得られたことが報告されたのみである。ガンマ線照射1時間後のサンプルは通常の有機溶媒に対する溶解性が全くなく、この事実からもフラーレン繊維の重合反応が進行したことが示唆された。重合後のサンプルを光学顕微鏡による観察を行ったところ、直径約50〜100nm程度、長さが約1〜2μm程度の比較的形状・サイズが均一なロッド状の構造体が得られた。事前に繊維状集合体を経ない通常のC60粉末に対してガンマ線照射を行ってもロッド状の構造体は得られない事から、C60繊維の事前組織化が必要であることが明らかとなった。さらに高分解能透過型電子顕微鏡写真からは、ロッド状集合体の内部に約1nmの周期のコントラストが観察され、フラーレンが高度に配列していることが明らかとなった。C70を用いた同様の実験により、さらに配向制御されたナノロッドが精製することも明らかにした。本法が、比較的溶解性の低い電子活性な芳香族化合物(ペンタセン・TCNQなど)にも広く適用できることをみいだした。
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Research Products
(7 results)