2005 Fiscal Year Annual Research Report
高プロトン伝導性ガラスの開発とその燃料電池への応用
Project/Area Number |
05F05417
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
野上 正行 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UMA Thanganathan 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プロトン / 伝導体 / ガラス / 電解質 / 燃料電池 |
Research Abstract |
燃料電池、水の電気分解、水素分離などエネルギー関連材料に応用可能なプロトン伝導膜としてナフィオン膜のようなポリマー製膜の開発と応用研究が進められているが、その本格的な普及のためには、電解質として開発されているナフィオン膜に匹敵するプロトン電導度に加えて、機械的強度が高く、化学安定性を有し、かつ安価な高いプロトン伝導性膜の作製が必要であるとされている。本研究では、そのようなプロトン伝導性電解質膜として、ガラスとヘテロポリ酸(PMAやPWA)とのハイブリッド化膜の作製と電解質に応用するのに必要な特性について検討した。PO(OCH_3)_3とSi(OC_2H_5)_4を原料にしたゾル・ゲル法によって前駆体溶液を作製し、PMAあるいはPWAを混合して均質な溶液とした。その後、さらに加水分解し乾燥させることで0.1〜0.3mmの厚さの膜を得た。それを空気中で600℃にまで加熱してP_2O_5-SiO_2-PMA/PWAハイブリッド膜を作製した。作製した試料の細孔径は2〜6nmで、比表面積が400〜700m^2/gと高い多孔質なものであった。ナフィオン膜より強度が高く、かつガラスに比べて柔軟性を示すことから電解質としての取り扱いに優れ、かつ高い化学的安定性を有したものであった。電導度に関しても30℃から90℃の範囲で10^<-3>〜10^<-0>S/cmと高い値を示した(室温での電導度は140mS/cm)。ハイブリッド膜を電解質にして燃料電池を組み立て、その電池特性を測定したところ、30℃で相対湿度30%の条件下で、出力;22.2mW/cm^2、電流密度;80mA/cm^2もの高い値を有することが分かった。
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Research Products
(3 results)