2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05419
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 大阪大学, 接合科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EL-DESSOUKI Mohamed Radwan 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 窒化アルミニウム / 燃焼合成 / 高熱伝導 |
Research Abstract |
今年度は、窒化アルミニウムの燃焼合成におけるナノ形態制御実験と生成物の焼結実験を行った。燃焼合成条件を種々検討した結果、原料アルミニウム粉末に、希釈剤として窒化アルミニウム粉末、反応制御剤として塩化アンモニウムと酸化イットリウム粉末等を適量添加し、2.5気圧の窒素雰囲気中で窒化燃焼させることにより、窒化アルミニウムのナノファイバーを合成することに成功した。未反応のアルミニウムは残存しなかった。 このナノファイバーは径が150nm以下で、長さは10μm程度である。合成された窒化アルミニウム粉体の形態を詳しく観察しナノファイバーの成長機構を検討した結果、原料のアルミニウム粒子表面が窒化されてAl-Y-N-Oの殻で覆われたマイクロカプセルを形成し、その中で溶融したアルミニウムが内部に浸入したHClガスと反応して塩化アルミニウムの気体となり、さらに窒素と反応することにより、カプセルの内周部から中心に向かって窒化アルミニウムがファイバー状に成長するモデルを提案した。 ナノファイバーは解砕しやすく焼結も容易で、焼結助剤を添加せずに1600度、5分の放電プラズマ焼結でほぼ完全に緻密化した。この焼結体はX線粉末回折の結果、六方晶窒化アルミニウム相と微量のAl_5Y_3O_<12>相で構成されていた。Al_5Y_3O_<12>相は燃焼合成時に添加した酸化イットリウムにより晶出したものと考えられる。焼結体の熱伝導率は91W/mKを示した。 今後は、窒化アルミニウムナノファイバーの大量生産方法を確立し、熱伝導率の向上を目指すとともに、低コストで高度な放熱機能を有する焼結体や樹脂へのフィラー剤としての用途開発研究を行う予定である。
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Research Products
(2 results)