2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05422
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NARANONG Duangkamol 北海道大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオマス / 廃棄物 / ガソリン / パーム廃棄物 / ペーパースラッジ / アセトン / 物質循環 / 触媒 |
Research Abstract |
健全な循環型社会を構築するためには、バイオマス廃棄物を資源とした高度利用技術の開発が必須であるが、広く浅く排出されるため、その利用が制限される。その中でパーム廃棄物、製紙会社のペーパースラッジや廃材等のセルロース系廃棄物は集約的に排出され、その資源化が最も可能な物質である。研究代表者は平成13-15年度に科学技術振興調整費により下水汚泥からガソリン製造技術開発を行いベンチプラントで実証試験を行った。そこで、この技術を基に外国人研究者出身国であるタイ国のパーム廃棄物を始めとするセルロース系廃棄物からの高品位ガソリンの製造プロセスの開発を目指して研究を実施する。セルロース系廃棄物の資源化プロセスは、まず、(a)熱分解により低分子の有機物に転換し、ついで(b)有機物を触媒反応によりアセトンが主成分である石油系有用化学物質に転換する。さらに、(c)アセトンを触媒反応によりトルエンとキシレンを主成分とするガソリンを生成する。このプロセスの要素技術開発として、平成17年度は次の開発研究を実施し、成果を得た。 1)触媒調製:上記(b)と(c)の触媒として、それぞれZrO_2担持鉄触媒と、ナノクリスタルゼオライト触媒を調製した。これら触媒は研究代表者が開発した新規触媒である。 2)パーム廃棄物の資源化:パームのシェル殻と果実絞り残渣を500℃で熱分解することで、低分子化有機物を55%の高収率で得ることに成功した。液成分を反応原料として1)で調製したZrO_2担持鉄触媒を用いて400-450℃で反応を実施した結果、アセトンを高収率で有ることに成功した。特に450℃では、90%を越える極めて高い収率でアセトンを生成することに成功した。 平成18年度は、これらアセトンからのガソリン製造と、ペーパースラッジの資源化について研究を展開する。
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Research Products
(5 results)