2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05422
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NARANONG Duangkamol 北海道大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | パーム廃棄物 / 熱分解 / 鉄触媒 / ゼオライト触媒 / アセトン / フェノール / ガソリン / ペーパースラッジ |
Research Abstract |
タイ国では2004年以降バイオディーゼルの生産を推進することに伴い,パーム油はその粗原料として利用が検討され,その増産が検討されている。しかし,パーム油製造過程で発生する多量の廃棄物が新たな環境問題を引き起こしている。そこで,この廃棄物を資源化する新たな技術の開発が強く望まれる。受入研究者は下水汚泥からのガソリン製造プロセスの開発研究を行っており,この技術を基にパーム廃棄物の石油関連有用物質への転換に応用する研究を実施して次の成果を得た。 二種類のセルロース系パーム廃棄物を実験に用いた。一つは種子殻(shell),繊維(fiber)とカーネル油が混ざったもの(廃棄物A),もう一つはカーネル油が入っていないもの(廃棄物B)である。これら廃棄物を773Kで熱分解して液状物を得た。ついで,Zr/FeOx触媒を用いて熱分解で得られた液状物を673Kで反応を行った。廃棄物A由来の液状物(液状物A)からは炭素収率で70%のアセトンを,廃棄物B由来の液状物(液状物B)からはフェノールを40%の高い収率で得ることに成功した。また,メタノール,酢酸,アセトン,フェノール,メチルエチルケトンの有用成分合計は液状物Aを原料とした場合は,90%であったが,液状物Bでは78%に留まった。そこで,水分解能を向上させると共に熱安定性を高めたZr-Al-FeOx触媒を新に開発した。その結果,液状物Bから有用成分が合計85%の高い値で生成液を得ることに成功した。受入研究者が開発したMFI型ゼオライトのナノクリスタル触媒を用いて,生成物中のアセトンを反応した結果,収率70%でハイオクガソリン主成分であるベンゼン,トルエンとキシレンを選択的に生成することに成功するとともに,5時間の反応では触媒劣化が見られないことを見出した。 また,ペーパースラッジについても同様の反応を行いトルエンを高収率で得ることに成功した。
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Research Products
(1 results)