2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造材料創製のための反応性熱プラズマのモデリング
Project/Area Number |
05F05423
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 隆行 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Md.Mofazzal 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 大気圧プラズマ / 熱プラズマ / 2温度モデル / 非平衡モデル / 酸素プラズマ |
Research Abstract |
熱プラズマを利用したナノ材料の合成方法には様々な利点があるが,工業的に応用するにはプロセスの制御性を改善することが望まれている。熱プラズマの温度分布や流速分布を数値解析により求め,熱プラズマ中に供給した原料物質の加熱,融解,蒸発過程をモデリングによって正確に捉えることが,ナノ材料創製には重要である。特にナノ粒子の形状や組成を決定するのは,蒸発した成分が下流で均一核を生成するプロセス,不均一凝縮によってナノ材料を生成するプロセス,ナノ材料同士が凝縮するプロセスである。よって本研究では,これらのナノ粒子創製のプロセスを定量的に捕らえるためのモデリングを開発することを目的とする。具体的には,反応性高周波熱プラズマの化学的非平衡プロセスを考慮した2温度モデル(電子と重粒子の温度が異なるモデル)による数値解析,反応性熱プラズマを利用したナノ粒子の生成過程を定量的に捉えるためのモデリングを行う。 高周波熱プラズマ中でシリサイド(金属とシリコンからなる化合物)のモデリングを行い,モリブデンとシリコンを供給してMoSi_2ナノ粒子を合成するプロセスでは,まず先に上流域でモリブデンが均一核生成を起こし,ただちに自らの核に不均一凝縮することで,モリブデンナノ粒子が成長する。後に下流域で過飽和に達したシリコンがモリブデンナノ粒子に不均一凝縮することでモリブデンシリサイドのナノ粒子が合成される.この合成過程において,シリコンは均一核生成を起こさない。このように核生成温度が大きく異なるモリブデンとシリコンの組み合わせは,核生成温度が大きく異なる組み合わせの例であり,ナノ粒子の組成を制御することが難しい例であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)