2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造材料創製のための反応性熱プラズマのモデリング
Project/Area Number |
05F05423
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 隆行 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Md.Mofazzal 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 大気圧プラズマ / 熱プラズマ / 2温度モデル / 非平衡モデル / 酸素プラズマ |
Research Abstract |
熱プラズマを利用したナノ材料の合成方法には様々な利点があるが,工業的に応用するにはプロセスの制御性を改善することが望まれている。これはプラズマの温度分布や流速分布が複雑であり,プラズマ中の原料物質の加熱,融解,蒸発過程を正確に捉えることが困難であること,蒸発した成分が下流で均一核生成,不均一凝縮によってナノ材料を生成する過程や,ナノ材料同士の凝縮過程などを定量的に捕らえることが困難であるためである。従来は実験を繰り返しながら,経験的に合成条件を調整して目的の組成や粒径を備えたナノ材料を合成していたので,工業的には利用しづらかった。 よって本研究では,反応性高周波熱プラズマや反応性多相アークの化学的非平衡プロセスを考慮した2温度モデル(電子と重粒子の温度が異なるモデル)による数値解析,および反応性熱プラズマを利用したナノ粒子やナノチューブの生成過程のモデリングを開発することを研究目的とした。 今年度は,2温度モデルのための反応速度、物性値の推算方法を開発した。具体的には熱プラズマ中の反応性ガスの解離・再結合、電離・再結合等のプロセスの非平衡性を考慮した新しいモデリングを開発することである。2温度モデルに必要なデータである反応性ガスの解離・再結合、電離・再結合反応速度のデータを取りまとめ,輸送係数や熱物性値の推算方法を確立した。従来の推算方法よりも高度な近似方法によってパソコンで物性値を推算できる手法を開発した。特に反応性熱プラズマ中に存在するラジカル,イオン,準安定種,電子共鳴状態の化学種の生成を考慮して,アルゴン-酸素プラズマの組成を求めた。従来は熱プラズマ中のラジカルやイオンの生成を考慮した数値解析は行われていたが,準安定種や電子共鳴状態を考慮したモデリングは行われていなかった。
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