2005 Fiscal Year Annual Research Report
水稲-豆科作物系における亜酸化窒素・メタン・二酸化炭素放出の起源と相互作用解析
Project/Area Number |
05F05428
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬伏 和之 千葉大学, 園芸学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KHALIL M.I. 千葉大学, 園芸学部, 外国人特別研究員
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Keywords | メタン / 亜酸化窒素 / 生成活性 / 温度条件 / 水稲 / 大豆 / 硝化抑制剤 / 炭素同位体 |
Research Abstract |
地球温暖化は急速に進行しつつあり、京都議定書の達成には多大な困難が残されている。その一つに農業活動で排出される微量温室効果ガス(メタン・亜酸化窒素)などがあり、食糧生産と環境との調和が課題となっている。本研究ではメタンの人為発生源で重要であり同時にアジア諸国を中心とした食糧生産の基盤である水田および土地生産性を挙げるためのマメ科作物との輪作体系で、メタン放出の削減とトレードオフの関係にあるとされる亜酸化窒素および二酸化炭素放出量について、まず起源別解析を行い安定同位体実験や反応速度論など数式モデルを組み合わせて、微量温室効果ガスの生成と放出の相互作用を解明する。本年度は亜酸化窒素放出に及ぼす温度、土壌水分、土壌タイプ、施肥(無機および有機)、被覆肥料・硝化抑制剤の影響を解析した。また、これと平行して水田モデル系による室内実験によって、土壌有機物分解量とメタン生成量との関係を明らかにした。これらのガス測定では二酸化炭素量も測定し、3種GHGの積分効果を定量化した。さらに、同位体標識植物試料の作成実験の検討に着手した。そのうち、亜酸化窒素生成に及ぼす硝化抑制剤の影響については、ドイツ・ミュンヘン工科大学と共同で解析し、2種の硝化抑制剤を尿素の局所施用と組み合わせ、亜酸化窒素放出量を13-20%削減できることを明らかにした。また別の硝化抑制剤を尿素表面施用と組み合わせると、亜酸化窒素放出量は逆に増大することを示した。
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Research Products
(2 results)