2006 Fiscal Year Annual Research Report
高アミロース性、モチ性小麦澱粉および各種修飾澱粉の機能性、加工特性について
Project/Area Number |
05F05430
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森田 尚文 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM. H.V 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | モチ小麦 / ハイアミロース小麦粉 / デンプン / 製パン / ドウ特性 / レジスタントスターチ / 食物繊維 / 全粒粉パン |
Research Abstract |
本年度はハイアミロース性小麦穀粒、モチ性小麦穀粒よりレッチェの粉砕装置を用い、それぞれハイアミロース小麦デンプン、モチ性小麦デンプンを調製し、これらのデンプンの物理化学的性質について検討した。モチ性小麦デンプン(約1%弱のアミロースを含む)は、通常およびハイアミロース小麦デンプンに比べ、高い糊化温度、糊化エンタルピー、デンプンの結晶化度を示した。とくに、モチ性小麦デンプンのペーストは粘度が高く、膨潤性に優れ、糊化温度も通常の小麦粉のデンプンに比べ高く、ウドンの調製に適していることが明らかとなった。 これに対し、ハイアミロース小麦デンプンではアミロース含量が37.5%と高いが、糊化温度とデンプンの結晶化度が通常の小麦デンプンに比べ低かった。ハイアミロース小麦デンプンのペーストは最高粘度が低く、ブレークダウン、最終粘度が通常小麦デンプンに比べ低かった。このようにハイアミロース小麦デンプンとモチ小麦デンプンの構造と物理化学的特性の違いは、実際の加工食品の調製に異なったテクスチャーを与えることが示唆された。 パンの老化抑制にユニークな特性を示すモチ小麦粉を全粒粉として調製し全粒粉パンを焼成した。その結果、全粒粉パンは通常の粉より調製したパンと比べ有意に保存性を改善した。また、このモチ性小麦の全粒粉にバイタルグルテン、或いは通常粉を代替したパンに比べパンのボリューム、軟らかさを有意に改善していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)