2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05432
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VALLURU Krishna Reddy 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 含窒素複素環 / キラルエノラート / 4置換炭素 / アミノ酸 / 動的不斉 / 分子内共役付加 |
Research Abstract |
安価に入手容易な官能基炭素資源であるアミノ酸やヒドロキシ酸を出発物質とし、これらから生成するキラルエノラートを活性中間体とする4置換炭素の不斉記憶型構築を行なうことを目的に研究を行なった。本法は炭素資源を不斉源としても利用するため,不斉触媒を必要としない不斉4置換炭泰構築の最も直線的なプロセスを提供すると期待できる。本研究では特にアミノ酸を出発物質とし、多連続不斉中心を持つ含窒素複素環の一挙構築を目的として研究を行なつた。α-アミノ酸のN-アルキル化、N-Boc化により得られる分子内にマイケル受容体を持つ誘導体を-60℃で塩基KHMDSで処理すると、分子内共役付加による環化反応が進行し多置換ピペリジン誘導体が97%eeで単一のジアステレオマーとして得られた。また、同様の反応を5員環合成に適用すると多置換ピロリジンの2種のジアステレオマーが80:20の比でそれぞれ91%ee、94%eeで得られた。これらの反応では出発物質アミノ酸のキラリティーがエノレート形成-共役付加の過程を通じて高度に保持され、連続した4級-3級不斉炭素を一挙に構築できる。また後者の反応を室温で行なうと多置換ピロリジンの2種のジアステレオマーの比が11:89に逆転し、それぞれ97%ee、97%eeで得られた。本反応は4員環への環化は起こらず,αβ-不飽和エステルのγ-位水素引き抜きによるエノラート生成、Claisen縮合、エノール化を経て、キラルなジヒドロピリジンを最高95%eeで与えた。
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