2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルケンの高効率的重水素標識化法の開発と重水素標識ポリマー合成法への適用
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05F05433
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BORA Utpal 岐阜薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機化学 / パラジウム / 重水素化 / 重水素ガス調製法 |
Research Abstract |
重水素(D)で標識された化合物は、薬物の生体内動態の追跡、タンパク質やペプチド高次構造の解析、酵素メカニズムの解明等、様々な分野で有用性が認められている。我々は、D_2O中少量の水素存在下、Pd/Cを触媒として用いることで、中性及び室温下ベンジル位選択的に、また、加熱条件下ベンジル位以外の不活性な脂肪族側鎖のC-H上でも、重水素H-D交換反応が進行することを見いだした。さらに本反応では、D_2Oの沸点以上に加熱すると水素が存在するにもかかわらず、不飽和結合の接触水素化反応が全く進行しない事が明らかとなりつつある。本申請研究では反応条件の詳細な検討を行い、オレフィンやアセチレンの還元なしに、C-Hを選択的にC-Dに交換する手法を確立するとともに、重水素化したオレフィン類のエポキシドやアルコール、ハロゲン化アルキル等への官能基変換による新規重素化試薬(シントン)の調製法を確立する。近年、高度に重水素化されたポリメタクリレート等が可塑性を持った光ファイバー原料として注目されている。そこで、重水素化オレフィン類をモノマーとした高分子化反応による、機能性重水素化ポリマー簡便合成法の確立を目指す。 平成18年度までの研究で、加熱による多重不飽和結合接触水素化抑制効果の一般性を確認・新規手法として確立するとともに、反応条件の詳細な検討を行い、オレフィンやアセチレンのC-Hを選択的にC-Dに交換する手法として確立した。しかし、平成17年度から継続して研究しているオレフィンおよびアセチレン類の選択的重水素化反応については、残念ながら一般法として確立するには至っていない。従って、平成19年度はこれまでに確立してきた手法の完結とともに、オレフィンおよびアセチレン類の選択的重水素化反応を一般法としての確立、並びに、反応条件の詳細な検討により、加熱接触水素化条件下におけるオレフィン類の選択的異性化反応の確立を目指す。
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[Journal Article] Heterogeneous Pd/C-catalyzed Ligand-free, Room-temperature Suzuki-Miyaura Coupling Reaction in Aqueous Media2007
Author(s)
Tomohiro Maegawa, Yoshiaki Kitamura, Satoko Sako, Takahiro Udzu, Ai Sakurai, Asami Tanaka, Yusuke Kobayashi, Koichi Endo, Utpal Bora, Takanori Kurita, Atsushi Kozaki, Yasunari Monguchi, Hironao Sajiki
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Journal Title
Chemistry A European Journal 13(印刷中)
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