2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05434
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉川 雅之 京都薬科大学, 薬学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG HaiLong 京都薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 糖尿病 / 生活習慣病 / 3T3-L1 / HepG2 / 分化誘導 / 脂肪蓄積 / Piper chaba / アマチャ |
Research Abstract |
先進諸国において,糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が問題となっているが,これらの病気には遺伝的素因以外に環境および食事などの生活習慣が関わっている.最近の研究では脂肪組織で産生・遊離されるTNF-αやresistinなどはインスリン抵抗性を惹起し,adiponectinは逆にインスリン抵抗性を減弱することが明らかになっておりPPARγアゴニストは脂肪細胞の分化を促進し,adiponectinの産生を促すことによってインスリン抵抗性を解除することが明らかになっている.本研究においては,脂肪前駆細胞3T3-L1やヒト肝細胞由来HepG2などの培養細胞を用いて,再現性の良いバイオアッセイ法を構築し,抗糖尿病作用が伝承されている天然薬物や2型糖尿病マウスKK-A^yで有効性を見出した薬用植物エキスからPPARγアゴニスト様物質や抗糖尿病作用成分を探索することを目的としている. 平成17年度は,肝細胞HepG2での脂質代謝促進作用を指標としたPPARα様物質および中性脂質(TG)の蓄積抑制物質,脂肪前駆細胞3T3-L1細胞における分化誘導活性を指標としたPPARγ様物質の探索するための再現性の良いアッセイ系の構築を行った. 次ぎに,3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化誘導過程および脂肪蓄積過程において,細胞内TGの蓄積量を指標とし,インド・スリランカ,エジプト,タイ,中国,日本などで採取した薬用植物のエキス100種について効果を検討し,Piper chaba, Tasmannia lanceolataなどの辛味料,アマチャ,Citrus属植物に有効性を見出した.また,HepG2細胞での細胞内TGの蓄積に及ぼす植物エキスの作用についても同様に検討し、Rubia yunnanensisに抑制活性を見出すなど,平成17年度の当初計画をほぼ達成したものと考える.
|