2006 Fiscal Year Annual Research Report
アロステリックおよび転写調節による代謝ネットワークの制御に関する研究
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05F05439
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUTTERIDGE Alex 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオインフォマティクス / システムバイオロジー / 代謝系 / 酵素の制御 / ネットワーク / フィードバック制御 / アロステリック制御 / 低分子化合物 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、低分子化合物による制御が代謝ネットワークに与える影響を解析している。昨年度抽出して解析に利用したBRENDAのデータに加え、今年度はEcoCycの情報も抽出した。これまでに、代謝制御ネットワークの全体的なトポロジーが、代謝ネットワークと同様にスケールフリーかつ階層的なネットワークの性質を持つことを示し、それらの性質が生物種間で保存されていることを明らかにしてきた。一方で、局所的には生物種間の違いが存在することも示した。 今年度は、低分子化合物の構造(原子同士の共有結合で表現される2次元構造)が代謝制御ネットワークに及ぼす影響を解析するために、化合物間で構造の類似度を計算し、化合物の構造が制御因子として適しているかどうかを決定するための重要な要因となっていることを示した。また、制御因子となっている化合物を、機能的に相関のある酵素群を制御する機能モジュールに分割するために、化合物の構造を利用する方法を示した。 さらに、ネットワークモチーフの解析を行い、代謝流量の制御を補助するフィードバックループが存在することを明らかにした。その中では、生成物合成の阻害による短距離のフィードバックループが重要である。ただし、長距離のアロステリック効果も存在する。現在、化学量論的な情報を考慮した代謝ネットワークとそれに対する制御システムとの相関を明らかにするために、引き続きネットワーク構造の解析を進めている。また、遺伝子制御のネットワーク構造をアロステリック制御のネットワーク構造と比較する予定である。
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