2006 Fiscal Year Annual Research Report
流域圏の炭素動態計測 -リモートセンシングとGISによる生態系機能解析-
Project/Area Number |
05F05442
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
秋山 侃 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WAHID Din Ara 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 土地被覆分類 / 土壌圏 / 炭素貯留 / 衛星画像 / 流域 / バイオマス / GIS / リモートセンシング |
Research Abstract |
<目的>地球温暖化にともない、温暖化ガスの植生による吸収速度が問題になっている。小面積での計測実験の結果は数多く報告されているが、広域的評価の手法はいまだ確立されていない。そこで、岐阜県高山市を流れる大八賀川小流域(約60km2)を対象として、リモートセンシングと地理情報システム(GIS)を使った広域的な炭素動態を計測する手法を確立する。 <手法>これを行う上で、最初に必要な情報は正確な土地被覆状態である。地上部については各種人工衛星画像を用いて、植生やバイオマスの分布とその季節変動(フェノロジー)を解析している。これを炭素量に換算する。一方、土壌圏の炭素量は土地被覆(主に植生)の違いに基づく貯留炭素量の違いを実測によって明らかにし、これを類型化して流域圏の土壌圏に含まれる炭素量を推算した。類型化の要素として、噂土地傾斜角度と傾斜方位を国土数値情報から導入している。 <結果>(1)日本が2006年1月に打ち上げたALOS衛星画像(空間分解能10m)など数種衛星画像を用いた多段階画像解析によって、流域圏の詳細な土地被覆図を作成した。(2)流域単位のフェノロジー変化を把握するため、高頻度衛星によるMODIS画像解析を行うとともに、地上でムービーカメラやデジタルカメラを使って検証する手法を開発した。(3)土壌圏の炭素貯留量を土地被覆、傾斜角度、傾斜方位によって推定する手法を提示し、大八賀川小流域の土壌圏炭素マップを作成した。 <今後の予定>地上部のバイオマスを推定し、炭素量に置換える部分がまだ完成していない。また土壌圏炭素マップの検証を行なっていない。これらについての研究を進める。 <成果の公表>上記内容のうち、植生フェノロジー解析に関する論文を2007年5月にアメリカ・フロリダ州で行なわれるASPRS(米国リモセン学会)において発表する。また、多種衛星複合画像を使った土地被覆分類の解析結果をJournal of Applied Remote Sensing誌に投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The contribution of gross primary production of understory dwarf bamboo, Sasa senanensis, in a cool-temperate deciduous broadleaved forest in central Japan.2006
Author(s)
Sakai, T., Akiyama, T., Saigusa, N., Yamamoto, S., Yasuoka, Y.
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Journal Title
Forest Ecology and Management 236(2-3)
Pages: 259-267
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