2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05447
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 真巳 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRIKANTARAMAS Supaart 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | カンプトテシン / トポイソメラーゼI / 自己耐性 / 代謝進化 / 分子進化 / 共進化 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
カンプトテシンは植物成分由来の抗がん物質であり、臨床的に使われる抗がん剤原料として重要である。このカンプトテシンは真核細胞に共通なDNA複製メカニズムに必須のDNAトポイソメラーゼIを阻害し強力な細胞毒性を発揮するので抗がん剤として使われるのであるが、また同時に生産植物自体には自己耐性が備わっていることが必要となる。そこで本研究では、カンプトテシン生産植物と非生産植物のトポイソメラーゼIのアミノ酸配列を比較することにより自己耐性メカニズムを調べた。 その結果、カンプトテシンを生産する植物では、DNAトポイソメラーゼIに特異的なアミノ酸変異が起こることで、耐性能を獲得していることが明らかになった。この耐性を与える変異を詳細に調べたところ、カンプトテシン耐性のヒトがん細胞で発見された変異と同一の変異に加えて新規の変異も発見された。また、カンプトテシンを生産しない近縁植物のDNAトポイソメラーゼIについても調べた結果、生産植物の変異による自己耐性能の獲得はカンプトテシンの生産能の獲得と共進化していることが明らかになった。 本成果は、米国科学アカデミー紀要に掲載されることが決定され、発行元のmedia highlightに選ばれた。
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