2005 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナとタバコの突然変異体を用いた葉内CO2拡散抵抗の実態の追求
Project/Area Number |
05F05450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺島 一郎 大阪大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THOLEN Daniel J. 大阪大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 光合成 / 二酸化炭素拡散 / 葉 / 安定同位体 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
さかんに光合成を行っているC3葉内部のCO_2濃度は,大気中の濃度よりも低く,その濃度勾配にしたがってCO_2が拡散する。大気から気孔を経て気孔腔に達したCO_2は,さらに細胞間隙を拡散し,細胞壁のアポプラスト水に溶解する。その後,細胞壁,細胞膜,細胞質,葉緑体包膜を透過して,葉緑体ストロマに達し,そこでrubiscoによって固定される。近年,細胞間隙から葉緑体ストロマまでの抵抗(内部抵抗,R_i)についての研究が進んだ。この抵抗をもっとも正確に求めるには,ストロマにおいてCO_2を固定する酵素,rubiscoが同位体分別をすることを利用する。葉を同化箱に入れてCO_2交換速度を測定すると同時に,同化箱に入る空気と出て来る空気のCO_2を採取して同位体比を測定すると,葉緑体内部のCO_2濃度,細胞間隙から葉緑体までのCO_2拡散抵抗が計算できる。 この方法をシロイヌナズナに適用した研究はまだなく,CO_2拡散に影響を及ぼす可能性のある多くの突然変異体がまだ利用されていない。本年度は、シロイヌナズナの小さな葉を用いた測定が可能な,システムの構築をめざして研究を行った。まず,既存のシステムを用いてシロイヌナズナの葉の内部抵抗を測定した。その結果,1枚の葉について内部抵抗を求めることはかなり難しいことが判明した。種々の計算は,システムの空気流量を落とし,2枚以上のの葉を同時に測定することが必要であることを示唆した。シロイヌナズナの葉2枚について光合成速度を測定するための.厚さ16mm,80mm四方の真鍮製チェンバーを設計し,工作センターに製作を依頼した。また,葉の内部構造の解析に必須である,解剖学的な手法の習得にも務めた。
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