2007 Fiscal Year Annual Research Report
「分子ものさし」を用いた核内微環境の定量的解析手法の構築と細胞生物学への応用
Project/Area Number |
05F05456
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金城 政孝 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PACK Changl 北海道大学, 大学院・先端生命科学院, 外国人特別研究員
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Keywords | タンデム型EGFP / 分子ものさし / 蛍光相関分光法 / 蛋白質動態 / 生細胞 / 核内微環境 / 核質 / 核小体 |
Research Abstract |
1. 細胞核内微環境を知るため拡散運動の指標となる[分子ものさし]として長さの異なる四種類のタンデム型EGFPを構築し、分子ものさしの拡散運動解析から核質をユークロマチンとヘテロクロマチンに分けて核内微環境を解析した。生細胞内においてユークロマチンとヘテロクロマチンを区別するために一種類のタンデム型EGFPとともに赤色蛍光蛋白質mRFPでタグしたH2B (H2B-mRFP)を共発現させ解析を行った。ヘテロクロマチン構造をユークロマチン化させるTSA阻害剤を用い、TSA阻害前後で解析を行った結果分子ものさし分子の動態には顕著な差が認められなかった。これらの結果から核質においてある程度の大きさの蛋白質(長さ:30nm)はクロマチン構造の種類と関係なくほぼ自由に拡散していることが示唆された。 2. 核内微環境の定量的な評価や蛋白質の拡散解析を確立した経験を基に様々な機能性蛋白質の生細胞内における拡散解析から蛋白質の機能や機序を理解するための情報を引き出せるようになった(論文発表参照)。今後も更なる蛋白質関連応用研究が期待される。
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