2005 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科ナシとアブラナ科植物の自家和合性変異に関する比較研究
Project/Area Number |
05F05461
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西尾 剛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG S.-L. 東北大学, 大学院農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 自家不和合性 / S-RNase / F-box遺伝子 / 突然変異 / 花粉 / 花柱 / バラ科果樹 / アブラナ科植物 |
Research Abstract |
チュウゴクナシは1遺伝子座S複対立遺伝子系に制御される配偶体型自家不和合性を示す。中国のナシ品種や野生種のS遺伝子型はほとんど分かっていない。本研究では、未展開葉から抽出したゲノムDNAを鋳型に、S-RNase特異的プライマーを用いたPCRにより、中国原産の栽培品種30種類から十数種類の新S-RNaseのDMA断片を増幅し、PCR-RFLPによりそれら品種のS遺伝子型を推定した。 スモモ花粉側因子F-box遺伝子の分析を行うため、8品種の10SハプロタイプのF-box遺伝子断片をF-box特異的プライマーを用いたPCRで増幅し、塩基配列を決定した。この塩基配列により推定した各Sハプロタイプはアミノ酸配列の相同性は65〜80%で、多型を示した。また、現在まで報告された他のバラ科植物のF-boxとの相同性も60〜85%であった。これらの結果から、新たに設計したプライマーPsSFB-F1及びPsSFB-R1により増幅したものは、自家不和合性花粉側S因子F-boxであると考えられる。現在では、異なるSハプロタイプの品種の花粉、花柱、及び葉を採取し、本研究で検出したF-boxが花粉で特異的に発現するかどうかを分析し、F-box遺伝子とS-RNase遺伝子との連鎖解析に取り組んでいる。 ナシの自家不和合性品種花粉側因子F-box遺伝子を見出すため、GenBankに掲載された情報を利用して設計したプライマーを用いたPCRで得られた4つのクローンが、ナシのSハプロタイプ特異的なF-boxかどうかをさらに検討する予定である。
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