2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05463
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
杉本 安寛 宮崎大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN Dongzhi 宮崎大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 薬用植物 / 生長抑制物質 / アレロパシー |
Research Abstract |
本研究の目的は、薬用植物から化学除草剤や殺菌剤の代替となる天然化合物を見出し、将来安全性の高い天然化合物による生物的除草剤・殺菌剤開発に関する基礎知見を得、省農薬農業技術確立に資することにある。これまでには以下の結果を得た。 1.九州暖地に生育する多数の薬用植物を供試し、それらの植物体抽出液がレタスならびに水田雑草(ヒメタイムビエやコナギなど)の生育に対する影響を検討したところ、強い抑制効果のあるリュウノヒゲ(Ophiopogon iaponicus K)やドクダミ(Houttynia cordata T.)やビワ(Eriobotrya japomca)の3種薬用植物を見出した。 2.リュウノヒゲに含まれる天然抑制物質の同定を行った結果、ρ-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、シリンガ酸、シリングアルデヒド、シナピン酸およびサリチル酸の6種ツェノール性物質が存在したことが分かった。そのなかで、最も合量高い成分はサリチル酸であった。 3.ドクグミに含まれる天然抑制化学物質の同定を試み、メチ-n-ノニルケトン、ラウリンアルデヒド、カプリンアルデヒドならびにクエルシトリンのような化合物を存在することが推測できた。そのなかで、最も抑制効果のある成分はメチ-n-ノニルケトンならびにカプリンアルデヒド)であることが判明した。 4.異なる季節(春、夏、秋、冬)に採取されたビワの葉を供試し、それらの水抽出液がレタスならびに水田雑草の生育に対する影響を検討した結果、ビワ葉の生埋活性は、生育時期によって差異が認められ、特に春、夏に採用されたものは最も強かった。これらの結果から、ビワ葉の存在天然生理物質は、その種類とそれらの含量が生長季節により異なったと考えられる。
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Research Products
(4 results)