2005 Fiscal Year Annual Research Report
エクトイン遺伝子の導入によるメラルーカ・アカジアの塩ストレス耐性の強化
Project/Area Number |
05F05466
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 耕之輔 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Tran Nguyen 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エクトイン / 形質転換 / 塩ストレス / メラルーカ / エクトイン合成遺伝子 / 好塩性微生物 / 浸透ポテンシャル / 相対成長率 |
Research Abstract |
海水に生息する好塩性微生物よりクローニングした塩ストレス耐性遺伝子、エクトイン合成遺伝子による形質転換によって高等植物の塩ストレス耐性が強化されることを我々はタバコで初めて証明した(Moghaiebら、2005)。そこで、本研究は、この遺伝子の導入によって、メコンデルタの重要な植物種であるメラルーカ及びアカシアの塩ストレス耐性の強化を図ることを主目的として実施した。具体的には、(1)エクトイン合成遺伝子によってメラルーカ、アカシアの形質転換を図った。(2)この形質転換によって、塩ストレス耐性が強化されたか否かについて、相対生長率、光合成能、などから評価している。(3)塩ストレス耐性機構におけるエクトインの役割について、遺伝子発現・その生成・集積状態などから解析している。さらに、特にソース葉からの炭素及び窒素化合物の転流・シンクでの集積などに与える影響などからも解析を進めている。 主要な実験方法を述べると、海水及び塩田より採取した好塩性微生物(Halomonas elegata)からクローニングした塩ストレス耐性遺伝子(エクトイン合成遺伝子で3種の酵素遺伝子より構成:ジアミノ酪酸トランスアミナーゼ(L-diaminobutylic acid transaminase : ectA)-ジアミノ酪酸アセチルトランスフェラーゼ(L-diaminobutylic acid acetyl transferase : ectB)-エクトインシンターゼ(ectoine synthase : ectC)遺伝子)を用い、アグロバクテリウム法によって、メラルーカ、アカシアの形質転換を行った。(1)各樹種の培養細胞を用いて、形質転換体を取得し、この転換体について遺伝子の導入・発現状態を調査している。
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