2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規なデキストラン合成酵素と環状化酵素の分子解析と応用
Project/Area Number |
05F05467
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Young Min 北海道大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | デキストラン / 環状化酵素 / 合成酵素 |
Research Abstract |
デキストラン合成酵素と環状化酵素に関する研究である。その内容は、1)当該外国人特別研究員はデキストランから新規な環状糖(CIと略;α-1,6グルコシド結合で構成)を生産する酵素を見出した。グルコースが7〜9残基のCIを産する酵素はあるが、これらのCIには包接能がない。本酵素は大環状のCIを与え、包接効果があるCI-10の生産能が高い。CI-10は10残基のグルコースからなり高分子化合物を包接できるが、環状化酵素の分子機構は未解明である。2)澱粉からデキストランを生産する酵素を得た。アミノ酸配列は新規であり、α-1,4結合をα-1,6結合に転換する分子機構は未知である。3)上記の2酵素を利用することで、安価な澱粉から有用なCI-10の製造法が確立できる。本研究の目的は、A)環状化酵素と合成酵素の分子機構を究明、B)高機能な酵素の作製、C)「澱粉→デキストラン→環状糖」技術の完成、である。本年度は次の成果を得た。 1.環状化酵素(CITaseと略)の研究:化学合成したω-エポキシアルキルα-グルコシドが、自殺基質の反応機構でCITaseを失活させることを明らかにした。作用機構の詳細を解析し、触媒アミノ酸を推定した。基質に対する作用から得た速度論的データと一致した。大腸菌で発現させたCITaseを用いた結晶作製や本酵素遺伝子を持つプラスミッドの軟X線処理を開始した。両者は時間を要する実験であるので、次年度以降の継続課題としたい。 2.合成酵素(DSaseと略)の研究:DSaseに対する高精度な酵素活性測定法の確立に成功した。HPLC法による生成物測定が迅速かつ正確であることが判明した。X線構造解析を意図した結晶化も開始したが、長時間を要するため、次年度も継続させる。
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Research Products
(1 results)