2005 Fiscal Year Annual Research Report
コイD-アミノ酸オキシダーゼのゲノムDNA構造およびプロモーター領域の解析
Project/Area Number |
05F05472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 宏喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAROWER MD.Golam 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コイ / D-アミノ酸 / D-アミノ酸オキシダーゼ / ゲノム構造 / プロモーター領域 / 酵素 / 遺伝子 / 誘導酵素 |
Research Abstract |
D-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)は、1935年に発見された初のフラビン酵素であるが、D-アミノ酸自体が細菌以外には存在しないと考えられていたため、その機能は長い間謎に包まれたままであった。しかしながら、近年の分析技術の進歩により、D-アミノ酸が哺乳動物や魚類も含めた、生物界に普遍的に存在することが明らかになり、本酵素の生理学的意義の解明が待たれている。コイ肝膵臓DAOは、哺乳動物のDAOとは異なり、餌由来のD-アラニンにより誘導される誘導酵素であることが分かっている。外因性のD-アミノ酸による、DAO遺伝子の発現・誘導メカニズムを解明するため、まず本酵素遺伝子のプロモーター領域を含むゲノムDNA構造を明らかにすることを目的とした。研究分担者によりすでにクローニングされているコイ肝膵臓DAOの全長cDNAをプローブとして、コイゲノムDNAライブラリーから、ハイブリダイゼーションによるスクリーニングを行った。その結果、制限酵素処理で異なる分解パターンを示す、複数の陽性クローンが得られた。PCRによるコイDAOゲノム遺伝子のタンパク質コード領域のクローニングでは、イントロン-エクソン構造の異なる2種のクローンが得られている。このことから、コイゲノム上には少なくとも2コピーのDAO遺伝子が存在することが示唆されている。今回スクリーニングにより得られたクローンは、それぞれ、そのいずれかに対応している可能性がある。現在、これらのクローンにつき塩基配列の解析を行っている。
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