2006 Fiscal Year Annual Research Report
コイD-アミノ酸オキシダーゼのゲノムDNA構造およびプロモーター領域の解析
Project/Area Number |
05F05472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 宏喜 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAROWER MD.Golam 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コイ / D-アミノ酸 / D-アミノ酸オキシダーゼ / ゲノム構造 / プロモーター領域 / 酵素 / 遺伝子 / 誘導酵素 |
Research Abstract |
D-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)は1935年に発見された最初のフラビン酵素であるが,D-アミノ酸自体が細菌以外には存在しないものと考えられていたため,その機能は長い間謎に包まれたままであった.しかしながら,最近D-アミノ酸が哺乳類や魚類を含めた生物界に広く存在することが明らかになり,本酵素の生理学的意義の解明が待たれている.コイ肝膵臓のDAOは哺乳類のDAOとは異なり,餌由来の遊離D-アラニンによって誘導される誘導酵素であることをすでに明らかにした.したがって,コイ肝膵臓のDAOは餌の貝類や甲殻類に多量に含まれる遊離D-アラニンを有効に利用するための重要な酵素であると推定された.そこで,DAO遺伝子の発現・誘導メカニズムを明らかにするため,本酵素遺伝子のプロモーター領域を含むゲノムDNA構造を明らかにすることを試みた.コイDNAライブラリーからスクリーニングを行い,DAO1およびDAO2の2つのクローンが得られた.DAO1およびDAO2遺伝子はそれぞれ3,536および3,893bpのコード領域をもち,DAO1は10エクソンと9イントロンからなり,一方PAO2は11エクソンと10イントロンからなることが判明した.DAO1およびDAO2はcDNAとはそれぞれヌクレオチドレベルでは93および94%の同一率を示し,また演繹アミノ酸配列のレベルでは93および90%の同一率を示した.PAO1およびDAO2遺伝子はいずれも5箇所のプロモーター領域を有することが推定された.現在このプロモーター領域の機能解析を実施中である.
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