2007 Fiscal Year Annual Research Report
コイD-アミノ酸オキシダーゼのゲノムDNA構造およびプロモーター領域の解析
Project/Area Number |
05F05472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 茂 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GOLAM Sarower MD. 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コイ / D-アミノ酸 / D-アミノ酸オキシダーゼ / ゲノム構造 / プロモーター領域 / 酵素 / 遺伝子 / 誘導酵素 |
Research Abstract |
D-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)は、1935年に発見された初のフラビン酵素であるが、D-アミノ酸自体が細菌以外には存在しないと考えられていたため、その機能は長い間謎に包まれたままであった。しかしながら、近年の分析技術の進歩により、D-アミノ酸が哺乳動物や魚類も含めた、生物界に普遍的に存在することが明らかになり、本酵素の生理学的意義の解明が待たれている。コイ肝膵臓DAOは、哺乳動物のDAOとは異なり、餌由来のD-アラニンにより誘導される誘導酵素であることが分かっている。外因性のD-アミノ酸による、DAO遺伝子の発現・誘導メカニズムを解明するため、まず本酵素遺伝子のプロモーター領域を含むゲノムDNA構造を明らかにすることを目的とした。コイ肝膵臓DAOのゲノム遺伝子として2.6kbおよび3.1kbの2つのクローン(DAOg1およびDAOg2)を得ることが出来、それらにつきイントロン、エクソンの構造を明らかにすることが出来た。すなわち、2つのDAOゲノム遺伝子は共に10個のエクソンと9個のイントロン部分よりなっていた。更に5'-RACE法によりコイ肝膵臓DAOゲノム遺伝子上の転写開始部位を特定することが出来た。また、コイ肝膵臓DAOゲノム遺伝子につき、5'上流領域の塩基配列の解析を行った結果、DAOg1およびDAOg2それぞれにつき、転写調節に関与していると考えられる領域を特定することが出来た。これらの調節領域を、ルシフェラーゼをレポーターとするベクターに組み込み、メダカヘバトーマ細胞に導入したところ、DAOg2の転写調節領域のみが活性を示した。さらにこれらの転写調節領域の欠失体を作成し、上記レポーターシステムを用いることで、DAOg2における転写調節領域を特定することが出来た。
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