2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05473
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
越塩 俊介 鹿児島大学, 水産学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAHAN Parveen 鹿児島大学, 水産学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 環境保全型養魚飼料 / 代替たんぱく質 / リン・窒素排泄 |
Research Abstract |
窒素及びリンの排泄は海域汚染や富栄養化を引き起こし、赤潮や疾病の原因となる。このような地球環境への負荷を低減する試みの一つとして原料成分を調整することによる養魚飼料の改良が考えられる。そこで、本研究は、我が国における重要養殖種であり、養魚飼料の生産量が第一位でありながら、まだ窒素・リン排泄に関する知見が不足しているブリを対象種として、(1)生産性低下を招かず、(2)窒素・リンの吸収が高く、(3)廉価で、さらに、(4)資源量、供給量の減少が懸念される魚粉の含量を極力低減できるような環境保全型養魚飼料の開発を目指すものである。 本年度は、魚粉代替タンパク質源として植物性タンパク質ばかりでなく、エネルギー含量の影響や有用産業廃棄物を利用することによる廉価な飼料の開発を目標に、安全性が確認でき、日本で得られる、焼酎粕、おから、マグロ筋肉残渣を魚粉代替タンパク質源として選択し、ブリの生産性あるいは健全性を損なわないための上記代替物の適正配合率の決定を試みた。 大豆油粕含有飼料中のタンパク質/カロリー比を考慮しながら飼料中のタンパク質含量を低減し、脂質含有量を高めた飼料をブリに給餌したところ、高タンパク質飼料に劣らない成長が得られ、さらには、環境水へのリン及び窒素の排泄量を減少させることが判明した。また、ブリは焼酎粕、おからおよびマグロ筋肉残渣を栄養成分として有効利用することが明らかとなり、その適正配合率については現在検討中である。
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