2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05474
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
矢口 芳生 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN Xuegui 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機農産物 / 有機認証 / 農産物貿易 / 有機食品 |
Research Abstract |
第二段階の研究では、中国における有機農産物の認証制度の展開過程とその特徴を解明した。中国の有機農産物の認証制度の展開過程は三つの時期に区分できる。 第1期の主な特徴としては有機認証が環境保護部門と農業部門双方で積極的に行われ、また、外国の有機認証機関が中国で有機認証を積極的に行い、その結果、様々な有機農産物が市場で流通し、消費者に多くの混乱を生み出したことである。第2期は、統一的な認証認可制度の創設、国定「有機産品基準」の制定、統一的な有機表示制度の創設などの時期である。第3期は、2005年4月から「有機産品基準」と「有機産品認証管理弁法」の施行により、全国的に統一した新しい有機認証基準・認証認可制度が確立したことである。 中国の新しい有機認証制度の確立は次のような意義を持つ。第1に、全国的に統一した管理システムが確立され、有機産業発展の促進に寄与したことである。第2は、新しい有機認証制度の実施によって、様々な基準の混在による認証問題の解消、消費者の有機農産物に対する信頼性の向上などによって、農産物の安全性に対する消費者の深刻な不安の解消に寄与したことである。第3に、国際的有機認証制度との整合性を図ることにより、中国産有機農産物の国際市場への参入を改善したことである。 しかし、現段階の有機認証制度は外圧として受け止められ、政府が有機農業者側に押し付ける制度であり、有機生産者の意見が十分に反応されていない。また、生産面のみならず、流通面、消費面も考慮に入れたより広い政策視点に立った総合的な施策と法制度としての整備に欠けている。 以上の点に関連して、対日有機農産物輸出を行う中国貿易会社並びに日本の輸入会社への実態調査を行った。
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