2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会資本の形成を通した地域のエンパワーメント:持続的農業の役割
Project/Area Number |
05F05475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山尾 政博 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN MD.Hammadur 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 持続的利用 / 環境保全 / 村落組織(CBO) / 住民参加 / エンパワーメント / 指標 |
Research Abstract |
農村開発分野におけるソーシャル・キャピタルの形成を通じたコミュニティー・エンパワーメントは,近年注目を集めている分野である。Community-based Organization(村落組織,CBO)は住民参加のレベルを高め,持続的な農業開発や環境保全に配慮した持続的農業を実現するためになくてはならない役割を果たしている。開発途上国では,人口増加や経済成長,さらには自然災害等によって,食料資源の持続的な利用が妨げられることが多い。本研究では,ソーシャル・キャピタルの形成が共有資源の利用や環境保全にどのような役割を果たすかを明らかにし,CBOを中心にしたエンパワーメントにいかに貢献するかを実証的に検討した。バングラディシュにおいて有機農業に取り組む農村,持続的な沿岸域資源利用(Community-based Fisheries Management,CBFM)の実現に向けて努力を続けている漁村の事例を分析した。住民に対するアンケート調査ならびに集団討論等を通じて,ソーシャル・キャピタルに対する住民意識や形成のレベルを測定した。事例分析を通じて,CBOの形成がソーシャル・キャピタルのレベルによって影響されていることが明らかになった。そのレベルが高いほど,資源利用が持続的になされ,環境保全への取組が活発であった。事例分析を通じてソーシャル・キャピタルの測定指標を具体的に検討した。住民参加型の資源管理,生計向上戦略,環境保全型食料生産の実現に向けて,ソーシャル・キャピタルの充実が欠かせないという認識をえることができた。現在,研究代表者が企画している沿岸域資源管理に関する調査に,ここで開発した調査手法の応用を試みている。
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Research Products
(4 results)